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宇宙を知る方法は、望遠鏡で「見る」ことだけじゃない。時空そのもののゆがみを「聴く」という、まったく違うアプローチが2015年に現実になった。

その先にあるのが、直径20kmほどの球体に太陽級の質量が押し込まれているという、想像しにくいほど極端な天体だ。

時空のゆがみを「聴く」——重力波

ブラックホール同士が合体するとき、時空そのものがゆがみ、その“ゆがみの波”が光速で宇宙を伝わっていく。これが重力波だ。アインシュタインが一般相対性理論の中でその存在を予言していたが、実際に検出されたのは理論発表からおよそ100年後、2015年のことだった。

検出したのはLIGO(レーザー干渉計重力波観測所)という装置で、4kmの長さのトンネルにレーザー光線を通し、その光路のわずかな長さの変化を捉える仕組みになっている。検出できる変化の大きさは、原子核よりもさらに小さいスケールとされ、正確な倍率は文献によって表現が異なるが、いずれにしても人間の直感を超えた精度であることは共通している。

これまで望遠鏡による観測は、基本的に電磁波(光・電波・X線など)を捉える手段だった。重力波はそれとはまったく別の情報経路であり、「見る」天文学に加えて「聴く」天文学が始まった、という表現がよく使われる。

直径20kmに、太陽1.4個分の質量

重力波が最初に検出されたのはブラックホール同士の合体だったが、同じくらい極端な天体が、太陽の8倍以上ある星が死んだあとに残ることがある。それが中性子星だ。

太陽の8倍以上の質量を持つ星が寿命を迎えると、中心核が重力で押しつぶされ、電子と陽子が結合してほぼすべてが中性子になる。この時にできる天体は、直径にしてわずか20km程度でありながら、太陽およそ1.4個分の質量を持つとされる。密度に換算すると、1cm³あたりおよそ4億トンという、日常の感覚では捉えようがない数字になる。

さらに際立った特徴が自転速度だ。中性子星の中には、1秒間に何百回も自転しているものが確認されており、記録上最も速いものでは1秒間に700回転前後に達する例が報告されている。自転するたびに磁極から放射線のビームが2本、宇宙空間へ向けて放たれ、そのビームがちょうど地球の方向を向いたときだけ、電波望遠鏡に規則的な「パルス」として観測される。この性質から「パルサー」と呼ばれている。

表面重力は地球のおよそ数千億倍のオーダーとされ、物が落下してくれば原子核レベルで押し潰されるほどの衝撃になるという。

検出方法は違っても、行き着く先は同じ「極限」

重力波と中性子星は、検出の方法こそ違う(一方は時空のゆがみを「聴く」、もう一方は電磁波のパルスを「見る」)けれど、どちらも人類が到達できる物理法則の限界に近い天体を扱っている点で共通している。

実際、中性子星同士が合体する現象は、重力波と電磁波の両方で同時に観測された例(GW170817)もあり、この2つの観測手段は互いに補い合う関係にある。宇宙の一番極端な場所は、一つの方法だけでは全体像が見えない、ということでもある。

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